中国VR市場の最新動向

めまぐるしい発展を遂げる中国VR市場の現状と今後の見通しを掘り下げます。

Avatar Harriet Pan Social Marketing Manager 2018-11-15

バーチャルリアリティ(VR)の主要拠点として高い評価を得ている中国は、すでにVR開発者の間で重要な市場として広く認識されており、今後のさらなる発展が見込まれています。

中国のVRの市場機会はどれほどに大きいのでしょうか。どのようなコンテンツが消費者に共感されるのでしょうか。また、同セクターにおける、最大の成長機会はどこにあるのでしょうか。

急成長を続ける中国のVR市場の実情をアナリスト目線でご紹介します。

中国VR市場の規模は?

Canalysによると、世界最大のVR市場であり31%のシェアを占める米国に続き、中国のVR市場規模は世界第2位で28パーセントのシェアとなっています。

しかしながら中国市場は急速に拡大しており、Canalysの調査によると、VRヘッドセット市場は2018年第1四半期に大幅に成長し、3ヶ月間の間に650,000台のヘッドセットが出荷され、前年比で200%の増加を見せています。

VRの収益も増加の一途を辿っています。China Dailyは、昨年のVRの収益は25億ドルに達したと発表しており、前年比で164%も増加したことになります。

中国で最も人気のあるVRヘッドセットは?

中国の市場はHTCにとって重要な拠点となっています。同社のVive Focusは、中国のスタンドアローン型VRヘッドセット市場シェアの33.1%を占めており、競合他社に大きく差をつけています。

ここで重要となるのは、中国国内のVR市場は、モバイルデバイス市場と同様の傾向がみられるという点です。中国のVR市場シェアの多くを、国内のハードウェアメーカーが占めています。

例えば、中国で2番目と3番目に人気があるメーカーはPicoとDPVRで、それぞれVR市場シェアの28.5%と13.3%を占めています。

Oculusのような企業が2018年1月にローンチしたばかりであったり、SONYのPSVRが市場での競争においてコンソールゲームの普及に依存しなければならない点を鑑みると、近い将来に国内メーカーが中国市場でさらに優勢となることが見込まれます。

中国におけるスタンドアローンVRとモバイルVRのシェアは?

中国のスタンドアローンVRとモバイルVRデバイスのシェアを正確に把握するのは困難ですが、数々の理由から、モバイルVRが国内市場で圧倒的優勢にあると考えるのが理にかなっているでしょう。

まず第一の理由は、2017年のiResearchのレポートによれば、市場のシェアの大半をGoogleのカードボード風デバイスが占めているということです。

次に、中国国内のデバイスメーカーが、スマートフォンを搭載したヘッドセットに注力しているという点です。たとえば、Picoは、SamsungのGear VRと同等のデバイスをリリースするXioamiやHuaweiなどの企業と協働し、モバイルVRデバイスの発売に専念しています。

控えめな価格設定のPicoVRヘッドセット

他国と同様に、中国のVR市場を活気づけているのはゲーマーです。iResearchVR市場レポートは、2021年に中国でのVRゲームによる収入は145千万ドル、映画による収入は132千万ドル、ライブストリーミングでは7億ドル未満になると予測しています。

しかしながら、中国は消費者向けのVR市場にとどまらず、それ以上にその範囲を拡大しようとしています。中国政府は厳しい規制を設けながらも、政策レベルで中国のVRエコシステムの成長を支援し、企業、保健などへの一層の拡大を狙っているのです。

つまり、AlibabaBaiduTencentなどの企業のすべてが、消費者の需要と増加するビジネス顧客からの需要を満たすため、幅広いコンテンツの作成に投資をおこなっています。

中国のVR市場を成長させる他の要因は?

中国のVR市場の成長を推し進める他の最大の要因の1つはOOH(家庭外・屋外型)VRの出現です。

プレミアムVRヘッドセットを実際に利用される場所に設置し、コンテンツの利用料を徴収することで、中国企業は国内の至る場所からVRコンテンツによる利益を得ています。

中国のVR体験スペース

ショッピングセンターは、消費者がVRを体験できる重要な場所の1つです。 UploadVRによると、中国の3000店ほどのショッピングモールは、限られたプレイ時間で消費者に少額を課金する、「VR体験スペース」といった役割を担っています。これにより、モバイル中心となりがちな消費者にも、ハイエンドなVRコンテンツに関わりを持たせることができるのです。

中国のOOH型VR市場はこれにとどまりません。「VRcades」というVR型テーマパークやVR方式のフィッティングスーツを採用した衣料品店などが登場し、中国のVR市場はモバイルの域を超え、拡大を続けています。

中国のVR市場は今後どの程度の規模になるか

中国のVR市場は今後5年間で急速に成長し、2022年までに世界最大の市場の1つとなることが見込まれています。

Digicapitalは、中国は米国の市場に挑む態勢を整えており、プレミアムVRヘッドセットの所有による短期的な損失を乗り越えさえすれば、米国市場を追い抜く可能性があるとコメントしています。

実際に多くの予測では 、中国市場は2020年代初頭までに80〜100億ドル相当の市場価値となることが示唆されています。 また、2020年までに2020万台を超えるヘッドセットが市場に出回る見込みとなっています。

 

結論

中国のVR市場は重大なビジネスです。中国の他のゲーム市場と同様に課題を抱えつつも(特にプレミアムデバイスの導入と州の規制に関して)、すでに最大の市場の1つであることは間違いありません。

VRでのビジネスチャンスを狙う企業にとって、中国への進出は不可欠です。短期的には、モバイルでのVR体験の提供と、ゲームや映画などのエンターテインメント分野に焦点を当てることをお勧めします。

このようにすることで、中国の消費者のニーズを満たしながら、家庭内・外の双方に同時にコミュニケートし、最良なビジネスチャンスの獲得とビジネスの成長を見込むことができるでしょう。

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