偽アプリのインストール率は2018年に30%上昇。モバイルアプリのフラウド対策は十分ですか?

最新のデジタルマーケティングチャネルであるモバイルアプリは、犯罪者の恰好のターゲットとなっています。 しかしながら、兆候をつかめばアプリフラウドは回避できます。

Avatar Cassie Cheng Marketing & Communication Director 2018-11-07

昨年はモバイルマーケティング分野の関係者にとって、モバイルアプリフラウドが大きな脅威となった1年でした。

最近の調査結果によると、偽アプリのインストールは前年比30%増で、全インストールに占める割合は約11%となっています。こうしたアプリフラウドに費やされたコストは、2018年の第1四半期だけでも、 全世界で8億ドルにも及ぶとされています。

多くの専門家が、犯罪者が標的とするチャネルがシフトした結果、モバイルアプリ上のフラウドが生じるようになったと指摘しています。これは、デスクトップやモバイル上でといったチャネルに比べ、モバイルアプリは企業側の対策がまだまだ手薄であることから、こうした詐欺の温床とされてしまったのです。

モバイルウェブのフラウドは減少傾向

Integral Ad Science(IAS)が実施した2018年上半期のイギリスの最新の統計 (全世界の統計は近日中に公開予定)によると、モバイルウェブのフラウド対策は明らかに功を奏しつつあります。不正行為の防止措置を講じた場合、フラウドとして検出されるクリックは0.5%以下にとどまったとの結果が出ており、対して、対策を講じないキャンペーンのフラウド検出率は7%強となっていました。

モバイルWeb動画でも同様の傾向がみられるものの、対策を講じないキャンペーンのフラウド検出率は5%程度となっています。興味深いことに、報告された数字によれば、防止対策を施したデスクトップのディスプレイと動画のフラウド検出率はそれぞれ0.7%と1.4%、対策が取られなかったインベントリーに関しては10%と8.6%となっていました。つまりモバイルは事実上デスクトップより安全性が高いといえるのです。

また、ビューアビリティにおいても同様の傾向がみられ、モバイルのウェブ動画は3分の2以上が視認可能であるのに対し、デスクトップはそれを下回るという結果が出ています。ただし、ディスプレイ広告においては、デスクトップのビューアビリティが63%とモバイルをやや上回っています(モバイルは57%)。

遅れをとるモバイルアプリ

しかしながら、リサーチャーから最もてごわい分野であるとみなされているモバイルアプリはさらなる苦戦を強いられています。モバイルアプリのビューアビリティは、ほんの数年前までデジタルマーケターがやむなく妥協していたデスクトップやモバイルウェブにおける低パフォーマンスとよく似た結果となっており、約50%以下(48%)にとどまっています。

モバイルアプリはビューアビリティにおいてなぜ遅れをとっているのでしょうか。こうした問いに対するIASからの回答は、モバイルアプリは比較的新しいチャネルであり、他のチャネルがかつてそうであったように、改善に時間を要していることが考えられるということでした。

ゲームそのものが広告チャネルとして優勢であるために、ビューアビリティが犠牲になってしまうということも興味深い点です。リサーチによると、これはレベル到達時やゲーム終了時に広告が表示されるようにプリロードすることが原因となっています。もしプレイヤーが目標の達成に至らなかったり、これ以上プレイする気にならずに、ゲームやスクリーンをオフにしてしまった場合、広告は表示されないながらも、実際には視認可能であるとみなされてしまうのです。

また、IASが信頼性の高い不正検出を行う上で、より多くのモバイルパブリッシャーが共通基準を導入する必要があるものの、現状はまだそこまでに至っていないという点も言及されています。指標はすでに存在しているものの、今後のより広い導入が望まれています。

モバイルアプリフラウドの懸念

こうした結果として、モバイルマーケターがアプリのローンチ時や、広告枠のバイイング時に、誤って予算を浪費したり、詐欺の犠牲となってしまうことが懸念されています。

東南アジアの最新の市況を記した記事にこうした問いかけがあります。「モバイルアプリフラウドが予算を食い尽くす犯罪者との戦いにおける最前線であるとすれば、フラウドの検出率はなぜ向上しないのでしょうか?」

その答えは、新しいチャネルであることから、デスクトップとモバイルウェブで利用可能なツールの数々を必ずしも活用できるわけではなく、戦いが困難を極めているということです。問題の中心となっているのは、詐欺師のやり口のほとんどが人間の行動の偽装であり、消費者になりすました犯罪者達が壮大な規模で詐欺を働いているということです。

こうした偽装行動は、デスクトップにおいて最も容易に見分けられます。例えば、偽のモバイルパブリッシャーが、1つしかない広告枠を何度も販売し複数の広告を重ねたり、消費者が目にしないようなサイトにボットトラフィックを送信するといったことが挙げられます。

人間が関与しないダウンロード

ただし、モバイルアプリフラウドの多くはアプリのダウンロード時に発生しています。悪意を持ったオペレーターが、アプリマーケターから手数料を掠め取るために、多数のアプリを複数のデバイスにダウンロードしたり、ネットワークをクリックであふれさせることで、アプリマーケターのシステムを騙し、ダウンロードを促す責任があると思い込ませることで、手数料を盗み取ったりします。

こうした複数の犯行手口が横行しており、マーケターはダウンロードのために、実際に消費者が関与することなく、犯罪者に手数料を支払わねばならないという事態が発生しています。

これにより、モバイルアプリのマーケターは、あたかもキャンペーンがよい成果が出したかのような数字に惑わされます。インストール数が爆発的に増えたにもかかわらず、エンゲージメントと収益は低いままという釈然としない状況が生じるのです。また、こうした犯罪においては、ダウンロード率の高さからダウンロード元のサイトをより魅力的に見せ、より多くの予算を犯罪者に割り当てられるように働きかけます。

フラウドを見定める上でのレッドフラッグ

モバイルアプリフラウドのエキスパートによれば、こうしたフラウドに対する防止措置は日々進歩しており、既知のフラウドソースをブロックすることで改善が行われています。

現在主力となっている不正の検出方法は、ダウンロードのコンバージョンが異様に高いソースを探り当てることです。こうしたトラフィックソースは黒である可能性が高いでしょう。また、ダウンロードされたアプリに対するユーザーのエンゲージメントレベルが極めて低い(あるいはゼロ)トラフィックソースも同様にフラウドを疑ってみるべきです。

非常に高いコンバージョン率や非常に低いエンゲージメントを持つアプリのトラフィックソースは、犯罪者が暗躍している可能性が高いという警告サインです。そうしたソースをブロックしていくか、自動的にブロックしてくれるシステムを構築するのが、目下最も有益な手段であるといえるでしょう。

 

 

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