東洋の大航海時代 – グローバル化が進む中国のモバイルマーケティング

Mobvistaの共同創設者、エグゼクティブディレクター、取締役社長を兼任する曹暁歓(Clement Cao)が、昨年10月にニューヨークで開催されたAdvertising Weekの壇上に立ちました。

Avatar Harriet Pan Content Marketing Manager 2018-10-30

Mobvistaの共同創設者、エグゼクティブディレクター、代表取締役を兼任する曹暁歓(Clement Cao)が、昨年10月にニューヨークで開催されたAdvertising Weekの壇上で、「中国のアプリ開発者の台頭によりもたらされるビジネスチャンス」と題したスピーチを行い、Mobvista独自の調査によるモバイルアプリ業界と広告エコシステムにおける移り変わりを解説しました。

曹は中国のアプリ市場に焦点を当て、中国の開発者は中国国外における自社アプリのマーケティングにますます目を向けていると語り、こうした市況を「Oriental age of sail(東洋の大航海時代)」と名付けしました。

世界中のモバイルのネットユーザー数は急激な増加の一途をたどっています。2013年の時点では、携帯電話によるインターネットのアクセス人口は23億人程度でした。iResearchMobvistaの調査では、現在のモバイルのネット人口は39億人となっており、2022年までに60億人に達すると見通しとなっています。

モバイルのネットユーザーの増加に伴い、デジタル広告への支出も右肩上がりの状態が続き、中国においてもモバイルデジタル広告の支出の急激な上昇が見られます。曹はスピーチにおいて、2018年にはデジタル広告の支出の80%以上がモバイル端末向けになると述べています。

中国のアプリ企業は、中国国外のユーザー獲得に向けた広告予算をますます増やしています。中国国外向けの広告支出は少なく見積もっても2017年に10億ドルを超えており、2018年には20億ドルに倍増すると見込まれています。

このような多額のモバイル広告支出は、AlibabaTencentのような大手企業だけでなく、中国国外での競争に勝負をかける中小規模のモバイル企業からも生じています。中国国内のモバイルトラフィックは少数のデジタルメディア大手によってコントロールされており、モバイル広告市場全体の90%を占めるともされています。そうした状況下において、アプリ企業は成功を収めるため世界の市場に目を向け始めたのです。

ほとんどのアプリ開発者にとって、広告は最も有益な手段であり、場合によっては唯一のマネタイズ手段にもなっています。また、iResearchMobvistaの調査によれば、アプリ内課金を利用するモバイルアプリユーザーはほんの10%未満にすぎないことが判明しています。 

これらを背景として、広告収入は主な収益源となり、2014年にはアプリストアの売上による収益を上回るまでになりました。2013年時点では86億ドルの規模であったモバイル広告業界は、2017年には886億ドルまで成長しており、2022年には2293億ドルという驚異的な規模に達すると予測されています。そうした状況下でアプリ開発者が成功を手にするためには、モバイルが生活に深く根差した地域を狙い撃つことが肝心であり、今まさにそうした状況が生じているのが中国市場なのです。

世界中の政府の取り組みによりモバイルのデータ通信料のコストが下がり、モバイルの通信インフラが整備されるにつれて、人々がアプリに費やす時間が急速に増加しています。世界人口1人当たりのアプリの平均利用時間は、2013年では1日当たり2.0時間であったのに対し、2017年には1日あたり3.7時間に増加しています。また、北米とヨーロッパが最も普及率の高い国となっています。

東南アジアも急速な発展を遂げており、同地域の1日あたりの携帯電話のインターネット利用時間においては首位となっています。こうしたことから、同地域の市場では特にモバイル広告に力が入れられています。

中国のアプリ開発者は、広告予算の大部分を北米や東アジアなどの成熟市場に費やすとともに、東南アジアの新興市場への投資にも力を入れ始めており、結果としてこうした市場で中国のアプリの人気が高まってきています。曹は一例として、20181月から9月までの間にインドのiOSGoogle Playでダウンロードされた無料アプリのトップ10を挙げ、これらのアプリの25%が中国の開発者が手掛けたアプリであることを明らかにしました。

中国政府が昨年3月に国内の新作ゲームのリリースを凍結して以来、中国のゲーム業界は規制による諸々の課題への取り組みを余儀なくされてきました。ゲーム以外でも、オンラインコンテンツの精査がますます厳格化され、ユーザーの動画投稿プラットフォームでの配信が禁止されることとなりました。そうしたことから中国のアプリ企業は中国市場の枠を超え、グローバルな機会を探し求めています。曹は、企業が国境や地域を越え団結し業務に取り組むことが成功の決め手となる、との見解を示しています。

Mobvista2013年の創業以来、常に東西関係を念頭においたビジネス展開を行ってきました。曹はスピーチで次のようにも語りました「2013年以来、当社は中国のアプリ開発者が自社アプリを中国外で展開する上でのサポートに尽力し続けています。

「当社は中国のアプリ開発者の予算の増加に支えられ、モバイルにおけるグローバルメディアサプライチェーンを構築してまいりました。2016年からは海外展開に積極的に乗り出し、グローバルインベントリーのより一層の収益化と、顧客企業の欧米諸国への進出を支援するローカル拠点の設立を実現しました。2018年には、海外のパブリッシャーの中国国内のインベントリーへの投資が増加していることに着目し、海外開発者の中国進出のサポートを開始しました。

また、スピーチにおいて曹は、昨年プレイアブル広告フォーマットをローンチしたFacebookGoogleに先駆け、Mobvistaがこうした広告フォーマットを顧客企業に2016年から提供していたことや、高度なモバイル分析SaaSプラットフォームであるGameAnalytics130カ国におよぶユーザーの行動追跡を行っていることを明らかにしました。さらに、急速に発達するクラウドコンピューティングを活用したAIフレームワークにより、ユーザーの過去の行動データから適合性を予測し、日々200カ国、3億台以上のアクティブデバイスに及ぶ顧客企業の広告キャンペーンのパーソナライズを行っているともコメントしました。

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