継続課金を推し進めるAppleの計画が明らかになりました

Appleが開始した新たなサブスクリプションベースの戦略の収益性の高さは証明済みであるものの、避けられない課題にも直面しています。

Avatar Yijun Chen Marketing Manager 2018-10-22

ニュースサービスのサブスクリプション(定期購読/継続課金)の導入を検討しているAppleは、開発者に継続課金制の採用を強く勧めています。

大きく騒がれがちなAppleの噂ですが、今回取り上げるのは携帯やウォッチ、ラップトップの新作モデルの仕様ではありません。

今回は、現在大きな話題となっている、テックジャイアントAppleのApp Storeに対するアプローチの劇的な変化を取り上げます。簡潔に言えば、Appleは今後少額かつ1度限りの支払いを推奨しなくなるということです。代わりにAppleは、開発者をAppleの新たなフィロソフィーと市場アプローチに巻き込むこと、つまり、月単位または年単位の継続課金によりユーザーにアプリの利用を続けさせることに注力しています。

昨年のiPhone売上高が3%増であったのに対し、同期間のサービス売上高が23%増であったことから、Appleがサービス主導型の企業へと順調に移行していることは明らかです。単にハードウェアを販売するのではなく、AppleはiPhoneとiPadの利用から生まれる収益をより多く得ることを望んでいるのです。

開発者を巻き込む

Business Insiderによると、Appleはニューヨークで開発者との秘密会議を経て、2017年の春にサブスクリプション指向へと本格的に舵を切ったようです。開発段階でのレポートでは、Appleの新たなサブスクリプションベースの戦略はウィンウィン(双方に利益があるもの)として提示されたということが明らかにされています。

アプリの開発はリスクを伴うビジネスです。ダウンロードチャートで上位に食い込んだアプリは、多くユーザーへの露出が期待でき、十分なダウンロード数を見込めるでしょう。しかしながら、それ以外のアプリは、ごくわずかの収益しか得られません。ひとたび成功しても、短命に終わってしまう可能性もあります。

Appleのダウンロード収入は、当然ながら、アプリのダウンロードにより生じるものなので、Appleと開発者は運命を分かち合っているといえます。アプリが購入された際に(より正確にはライセンスが与えられた際に)、Appleは取り分として30%を得ますが、それ以降に収益を得る機会はほとんどありません。

開発者を説得しユーザーを自動継続課金に移行させられれば、Appleはその分収益を多く得られるようになります。実際のところAppleは、アプリの課金が継続更新された場合の手数料を30%か15%に引き下げることを明らかにしています。

App Storeは、全世界でNetflixの顧客数を2倍以上も上回る約3億ものユーザーを抱えているため、Business Insiderは、Appleが「ひそかに」構築しているサブスクリプションビジネスは世界最大規模になるポテンシャルがある、と述べています。Get it right, and the business sitesの見込みでは、AppleはApp Storeをドル箱に変え、年間550億ドル相当もの収入を得ることができるようになるということです。

注目すべきニュースのサブスクリプション化

Appleが収益向上のためにサブスクリプション化を狙っているのは、アプリのみではありません。Bloombergなどのレポートによれば、同社がニュースアプリに自動継続課金制を導入するという噂が出回っているということです。

今春にAppleは月額9.99ドルで雑誌200誌が読み放題になるサービスを提供するTextureを買収しました。消息通がBloombergに明らかにした情報では、Textureの技術はApple Newsにも導入されるということです。一部のコンテンツは無料のままですが、定期購読を選択した場合、さらに多くの定期購読専用タイトルにアクセスできるようになります。

Apple Newsでは、現時点では記事をまとめてフィードに表示するためには、ユーザー自身で購読タイトルを追加していく必要がありますが、今後は1回の支払で複数の雑誌や新聞にアクセスできる、Apple Musicと同等の方式にする計画が立てられているようです。

出版社との利益配分の詳細や、サービス開始日はまだ明らかにされていませんが、Bloombergのインサイダーの見込みでは、年末か2019年の第1四半期あたりに開始される見込みとなりそうです。

順風満帆ではない

アプリを継続課金に移行させ、雑誌や新聞の購読を促す動きは、順調に進んでいるわけではありません。アプリの定期購読は値上げの恐れが伴うだけでなく、一部の開発者の間では、Apple Store経由のダウンロードでのAppleの取り分が30%であることに対し、憤りが高まっています。

もちろん、売上の3分の1近くがAppleに渡ってしまうことに、開発者は以前から難色を示していました。しかしながら、アプリのダウンロード価格の値上げや継続課金の導入に伴い、「Apple Store税」に対する怒りが激化すると専門家たちは予測しています

Mobile Marketing Magazineの創業者であるDavid Murphy氏は、時価総額1兆ドル超えとなった初の企業が、さらに多くの収益を得ることに熱心になるのは当然のなりゆきであると、モバイルアプリ業界関係者の心境を代弁しています。

「世界のすべての企業が、より多くの経常収入を夢見ています。儲ける方法を良く心得ているAppleが、毎月収益を得るためにサブスクリプションモデルへと移行するのは、驚くべきことではなく、まったくもってロジカルな展開です。」とMurphy氏は述べています。

Murphy氏はさらに、「Appleが構築した排他的なエコシステムや、ヘッドフォンジャックがライトニング方式に変更されたために、別売のキットを入手しない限り、音楽を聴きながらの充電が出来なくなってしまってもAppleを愛し続ける、Appleファンの忠誠心を考慮すれば分かりやすいでしょう。」ともコメントしています。

ニュースの購読制への移行は大きなチャレンジとなるのか

Appleがニュースサービスのサブスクリプションを開始するかどうか、また、より多くの収益を得るためにどれほどまでにやる気なのかは、現時点でははっきりしないままです。アプリがアップデートされたり、改良された場合に、ユーザーが継続課金に同意することは想像できるものの、ニュースコンテンツの料金を支払う事に対しては抵抗があるのではないかという意見もあります。

Appleはお気に入りのニュースをすでに登録しているユーザーに、追加料金を支払うよう説得しなければならず、また、新サービスで登録できる各タイトルの魅力を伝えつつ、売上でカニバライゼーションがおきないようにしなければなりません。

また、広告付きのサイトから無料でニュースを入手しているユーザーに対し、月額料金を支払うことでより多くのリソースを得られると説得することも課題となるかもしれません。

Related articles

Share