2019年のモバイル広告業界予測

昨年1年でモバイルのインターネットアクセス人口は70億人を突破し、通算10億年もの時間がオンラインで費やされました。今年はモバイル広告にとってどのような1年となるのでしょうか。

Avatar Cathy Ou Content Marketing Manager 2019-01-09

インタラクティブ広告、拡張現実(AR)、音声広告、人工知能(AI)、5G、縦型動画広告など、モバイル広告業界を席巻する技術革新の波に乗るのは至難の業です。

昨年1年で、モバイルのインターネットアクセス人口は70億人を突破、通算10億年もの時間がオンラインで費やされました。今年はモバイル広告にとってどのような1年となるのでしょうか。

以下に今年業界の要となる5つのトレンドをご紹介します。

AIが飛躍的な進化を遂げる

人口知能(AI)は今年さらに加速度的な進化を遂げることでしょう。モバイル広告主は、ユーザー1人ひとりに向けた広告のパーソナライズを急速に進めており、2019年はAIがますます躍進する1年となることが見込まれます。

目下、世界中のあらゆる大企業がAIに期待を寄せており、Google、Apple、SamsungなどはAI開発に巨額の投資を行っています。また、中国ではAlibabaが新たなAIアプリによりローカル企業にサービスを提供することを狙って、世界各地の研究機関に150億ドルの開発投資を行う計画を明らかにしました。

こうした流れを受け、モバイル広告企業は、AIがもたらす機会創出を理解し、スマートアプリの開発を行うことができるよう、自社のAIチームの構築を慎重に検討していく必要があるといえます。

透明性のグローバルスタンダード化

2018年5月25日、EUで一般データ保護規則(GDPR)が施行され、広告主は新たなリスクを背負うこととなりました。

ユーザーのデータは、データを収集する企業ではなくユーザー本人に帰属するという原則に基づき、企業は自社のデジタル製品にプライバシー設定を設け、定期的にプライバシーの影響評価を実施し、ユーザーの同意を得ることが義務付けられました。これらに従わない場合は、最大2000万ユーロ、もしくは全世界の売上高の4%が罰金として科せられます。

法的な強制力を持つGDPRは、デジタル業界に多大な影響をもたらしました。5月の施行以来、英国だけですでに8000件もの違反が報告されています。このことから、GDPRに対する理解と認識は高く、規制による歯止めが歓迎されていることがうかがえます。

しかしながら、大局的な視点でとらえれば、GDPRは消費者のデジタル企業に対する長年の不信を取り除く可能性を秘めているといえます。

TRUSTe / NCSAの調査によれば、オンラインユーザーの92%がデータのセキュリティとプライバシーを懸念点として挙げていました。また、Chartered Institute of Marketingによると、57%のユーザーが、各企業が責任を持って個人データを利用しているかどうかに疑念があると回答していました。

こうした中で、GDPRのグローバルスタンダード化が急速に進み、新しい基準が確立されていく中で、2019年はデータの透明性がより求められる1年となることでしょう。

音声アシスタントによりSEOがより加熱

1日当たりの検索件数が35億件にもなるGoogleでは、そのうちのほぼ3分の1が音声による検索となっています。また、アジア太平洋地域では、2人に1人が音声検索ツールを利用しています。音声検索の多くは、AmazonのAlexa、AppleのSiri、Google Assistantなどのパーソナルアシスタント機器により行われていました。

こうしたことから、音声アシスタントはモバイル広告主がターゲットとすべき新たなチャネルであるといえます。ComScoreは、2020年までに検索クエリの約半数が音声ベースになると試算しています。しかしながら音声検索クエリでは、App Storeやウェブ検索と比較すると、提示可能な検索結果が少ないため(100件もの検索結果を読み上げたとしても煩わしいだけでしょう)、広告主にとって新たな課題も生まれそうです。

特にSEOとASOにおけるキーワードバトルは、今後より激化していくでしょう。ユーザーの行動が、キーワードを打ちこみ検索結果を読むというスタイルから音声検索へとシフトする中、オーガニック検索で上位にランクインする広告主は、圧倒的な勝利を収めることができるようになるでしょう。

アドフラウドの脅威がより深刻化

2018年のアドフラウドによる広告主の損害は190億ドルにも上りました。Juniperの発表によれば、1日あたりのアドフラウドの損害額は約5100万ドルで、デジタル広告の支出全体の9%を占めるまでになっています。また残念ながら、今年もアドフラウドが改善する見込みはほぼないといってよいでしょう。

各企業がクリックスパムやボット対策などの改善を実現する一方、新たに台頭するAI技術が、広告詐欺師がパブリッシャーや開発者をだます新しい手法を生み出す上での手助けとなってしまっているのです。

2019年はこうした戦いに備えて、十分な対策を講じる必要があるでしょう。Juniperは、業界が一致団結し防衛体制を組織化していかなければ、2022年までにアドフラウドによって各企業が被る損害額は440億ドルにも及ぶと予測しています。AIによるアドフラウドの脅威が、共闘態勢の構築に一役買うことになるかもしれません。

中国が市場の中心に

中国は今後数年間でさらに重要な市場へと成長していくでしょう。

中国のインターネット市場は8億人超のユーザーを抱え、世界最大の規模を誇っています。 China Internet Network Information Centerによれば、中国ではユーザーの98%が携帯電話でインターネットにアクセスしています。また、世界中のアプリストアの収益の4ドルのうち1ドルは中国のユーザーから生み出されており、中国市場は避けては通れない重要な市場となっています。

広告主とパブリッシャーにとっての大きな課題は、いかにして中国市場に進出するかという点です。昨年1年を振り返っても、国内でのゲーム承認の凍結や、政府によるデジタル分野の規制強化などが行われており、中国進出を狙う企業にとって、折衝力に長けたパートナーを見つけ出すことが今まで以上に重要となってくるでしょう。

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